[MDREX NEWSLETTER] 検体・CT・MRI検査の診療報酬を年間2.6兆ウォン調整、2027年1月の施行が
検体・CT・MRI検査の診療報酬を年間2.6兆ウォン調整、2027年1月の施行が確定 — 医療機関と医療機器企業への影響と準備すべきこと
2026.10.30
韓国保健福祉部は2026年10月28日、第19回健康保険政策審議委員会(以下「健政審」)を開催し、「健康保険診療報酬構造革新方案」の実施方策と「検体検査の委託・受託に係る条件付き報酬の推進計画」を議決しました。これにより、2027年1月1日から血液検査などの検体検査702項目とCT・MRI480項目の診療報酬が引き下げられ、委託検査管理料(検査料の10%)が廃止されるとともに、国民健康保険公団が委託機関と受託機関に検査料を分けて直接支払う区分支払が開始されます。政府が示した削減規模は年間約2.6兆ウォン(検体検査1.9兆ウォン、画像検査0.7兆ウォン)で、この財源は地域医療・必須医療の診療報酬引上げ(2.7兆ウォン)に充てられます。

今回の調整は、現行の相対価値に基づく診療報酬体系が導入された2001年以降、過去最大規模の診療報酬再調整です。検査料の引下げは検査を実施する医療機関の収入を直接減少させ、その影響は、体外診断用試薬・機器、画像診断装置および関連サービスを供給する医療機器企業にも、単価引下げの要求や投資の遅延という形で波及する可能性が高いと考えられます。

本ニュースレターでは、①保健福祉部による検体・画像検査の診療報酬見直しの内容、②医療機関と企業への影響および予想される売上変動、③これまでの学会・産業界・企業の対応、④国政監査と健政審の結果および今後の手続き、⑤企業が準備すべき対応方針を順に詳しく整理しました。



1. 保健福祉部による検体検査・画像検査の診療報酬見直し

1-1. 推進の背景と経緯

政府は、検体検査とCT・MRI検査では費用に対する収入が大幅に過大補償となっており、十分な診察などの基本的・必須の診療よりも検査の比重が高まる構造を生んでいると判断しました。政府が根拠として示した2023年の会計資料に基づく原価分析(上級総合病院6施設、総合病院74施設、診療所88施設の計168施設)によると、原価に対する収入の比率は、検体検査が約190%、CT・MRIが約194%である一方、診察が約71%、入院が約57%でした。政府は、過大補償分野の診療報酬を引き下げ、補償が不足する基本診療・重症・救急・小児・分娩分野に財源を振り向けるとともに、診療報酬改定の周期を従来の5~7年から2年以内に短縮する方針です。

時期 主な経緯
2025年12月 第24回健政審 — 「検体検査の委託・受託報酬体系の再編および質管理強化方案」を報告(委託検査管理料の廃止、委託・受託の分離支払、質管理強化の方向性を提示)
2026年3月 国会保健福祉委員会への業務報告に関する書面回答 — 過大補償(原価比約190%)の調整、分離支払の導入、受託機関の認証基準強化・再委託制限の方針を提示
2026年5~6月 関連学会との合同説明会(5月27日~6月10日)、公聴会(6月17日)、健政審小委員会での議論(6月18日)
2026年6月25日 第12回健政審 — 「健康保険診療報酬構造革新方案」を議決:地域医療・必須医療に年間3.6兆ウォンを投資、検体・CT・MRIの過大補償を年間2.6兆ウォン調整、原価比150%を超える検査を調整
2026年7~9月 診断検査医学会・放射線医学会などとの追加諮問会議(7月21日、9月16日)、関連学会・産業界による意見提出
2026年10月 国政監査(10月8日の保健福祉部監査)および書面質疑 — 原価分析の根拠開示、必須検査の保護について問題提起
2026年10月28日 第19回健政審 — 実施方策を議決、2027年1月の施行を確定、国政監査の指摘を反映し一部の必須検査を調整対象から除外

1-2. 検体検査の診療報酬調整(年間1.9兆ウォン)

検体検査では、原価に対する収入が150%を超える41細分類・745項目が調整対象として検討され、最終的に38細分類・702項目の診療報酬が引き下げられます。これに加え、委託検査の検査料の10%を別途算定していた委託検査管理料が廃止されます。政府発表によると、血液検査などの検体検査の診療報酬は平均約28%引き下げられます。

区分 調整内容 削減規模(年間)
検査料の引下げ 過大補償となっている38細分類・702項目の診療報酬を引下げ(原価比150%程度に調整) 約1.62兆ウォン
委託検査管理料の廃止 委託検査の検査料の10%を委託機関に別途支払っていた制度を廃止 約0.24兆ウォン
調整対象からの除外
(微調整)
診断検査医学専門医による検証料、骨髄異常血液検査、組織適合性免疫検査(HLA)などの3細分類は引き下げない 引下げ額を約368億ウォン縮小
同一原理・
同一報酬
同じ原理に基づく感染症検査には同じ診療報酬を適用 引下げ額を約81億ウォン縮小
合計 検体検査全体の調整 約1.9兆ウォン

政府が6月に示した例では、診療所で実施する一般血液検査(CBC、機器測定)1件の検査料は、1,220ウォンから970ウォンへ約20%引き下げられます。今回の引下げは、1点当たりの単価(換算指数)を下げるのではなく、診療行為ごとの相対価値点数そのものを引き下げる方式です。このため、一度引き下げられた点数は、その後に換算指数が上がっても元の水準には戻らない点に注意が必要です。

1-3. 画像検査(CT・MRI)の診療報酬調整(年間0.7兆ウォン)

区分 調整内容 規模(年間)
調整対象 原価比150%を超える2細分類の全480項目(CT96項目、MRI384項目) 約0.73兆ウォン
読影料・救急加算の維持 放射線科専門医の読影料と救急加算は現行水準を維持 引下げ額を約566億ウォン縮小
筋骨格系MRI 筋骨格系MRIの読影料を別途分離 約30億ウォン
合計 CT・MRI検査の診療報酬を平均約25%引下げ 約0.7兆ウォン

つまり、画像検査は撮影(検査)料が下がる一方、専門医の読影料は維持される仕組みです。装置を運用する医療機関の撮影収入は減少し、読影能力の相対的な価値は維持される方向となります。

1-4. 検体検査の委託・受託区分支払と条件付き報酬(2年間の時限措置)

これまでは、検査を依頼した委託機関(主に診療所)が公団から検査料を一括で受け取り、実際に検査を行った受託機関(検査専門機関)と独自に精算していました。この過程で検査料の割引競争が生じ、検査の質の低下や検体の取り違えといった患者安全上の問題が指摘されてきました。2027年1月からは、公団が委託機関と受託機関にそれぞれの役割に応じた検査料を直接支払い、検査の質向上に関する要件を満たす機関に対して、2年間、条件付きで格差を設けた報酬を支給します。

区分 委託機関
(検査を依頼する病院・診療所)
受託機関
(検査を実施する機関)
支払方式 公団が委託機関の取り分を直接支払う 公団が受託機関の取り分を直接支払う(機関間の精算・割引を防止)
条件付き
報酬の要件
受託機関と検査結果を迅速かつ正確に共有する体制を整え、慢性疾患患者などに検査結果の分析・管理を提供 高難度・低頻度検査、医療提供体制が脆弱な地域からの依頼検査を実施し、検体管理・結果報告など検査全過程の質を管理
報酬内容 臨床結果分析・管理料は1回1,400ウォン(患者1人当たり年4回)。検査オーダー量の適正性などの実績に応じた機関単位の報酬 高難度・低頻度検査加算、医療提供体制が脆弱な地域への加算(2027年3月予定)、質管理・手続き改善の実績に応じた機関単位の報酬
配分構造
(6月25日の発表に基づく)
診断検査:基本25%+条件付き10%
病理検査:基本10%+条件付き5%
診断検査:基本45%+条件付き20%
病理検査:基本80%+条件付き5%

※配分比率は6月の発表内容です。詳細な比率と条件付き報酬の指標は、11月の告示改正で最終確定されます。

1-5. 段階別ロードマップ

✔ 第1段階(2027年1月施行):原価比約190%から150%程度へ調整、委託検査管理料の廃止、区分支払・条件付き報酬の実施
✔ 原価の再分析(2027年):委託・受託機関別の原価分析と施行影響のモニタリング(四半期ごと)、健康保険審査評価院による影響研究
✔ 第2段階(2028年下半期予定):6月のロードマップでは原価比110%程度まで追加調整 — 費用分析の結果に応じて再設定

1-6. 同時に実施される報酬強化(医療機関にとっての相殺要因)

同時期に、地域医療・必須医療の診療報酬に2.7兆ウォンが投入されます。診療所の診察料は初診6%、再診4%(病院級以上は2%)引き上げられ、2027年の換算指数連動分を加えると、診療所の初診料は18,840ウォンから21,210ウォンに上がります。入院基本料は一般病室で7%、集中治療室で10%引き上げられ、総合病院以上で実施する重症患者向けの手術・処置1,670項目の診療報酬は20%引き上げられます。したがって、医療機関全体では、検査の比重が高い機関ほど純減、診療・手術の比重が高い機関ほど純増となる方向に収入構造が再編されます。


2. 医療機関および医療機器企業への影響

検査料が下がると、まず検査を実施する医療機関の収入が減少し、医療機関は費用削減によってこれを補おうとします。検査費用の中で調整しやすい項目が試薬・消耗品の購入価格と機器の導入・保守費用であるため、その影響は速やかに供給企業へ波及します。以下の数値は政府発表の例と公開資料に基づくMDREXの推計であり、実際の影響は各機関の検査構成や契約条件によって異なります。

2-1. 医療機関の種類別の影響

機関の種類 主な影響 予想される変化(第1段階)
診療所
(委託中心)
委託検査管理料の廃止と区分支払によって委託機関の取り分が固定され、従来の精算過程で得ていた検査関連収入が大きく減少します。診察料の引上げと臨床結果分析・管理料によって一部が補填されます。 委託検査1件当たりの収入が約44%減少(CBCの例)
※CBC:一般血液検査(Complete Blood Count)
受託検査機関 検査料の引下げが直接反映されますが、割引精算の慣行がなくなることで、標準的な受託機関の取り分を受け取ることになります。条件付き報酬の要件充足の有無が収益性を左右します。 1件当たり約14%減少(条件充足)~約40%減少(未充足)
総合病院・
上級総合病院
(院内検査)
検査料の引下げ分がそのまま収入減となりますが、重症手術(20%)・入院料の引上げで相殺できる余地があります。 調整対象の検体検査は平均約28%減少、CT・MRIは約25%減少
放射線科診療所・
健診センター
撮影料引下げの直接的な影響を受けます。読影料は維持されますが、機器への投資余力が低下します。 CT・MRI撮影収入が約25%減少
病理検査
(組織・細胞)
原価比150%未満の項目は検査料引下げの対象ではなく、委託検査管理料の廃止と区分支払のみが適用されます。 委託機関の取り分が減少し、受託病理機関は実受取額が改善する可能性

2-2. 事例:診療所が委託する一般血液検査(CBC)1件

項目(ウォン) 現行 再編後 変化
検査料 1,220 970 ▽20%
委託検査管理料 122 廃止 —
総請求額 1,342 970 ▽28%
委託機関(診療所)の
受取額
約610 最大340 ▽44%
受託機関の
受取額
約732 最大631 ▽14%

※現行の実受取額は、委託・受託機関間の慣行的な割引(約40%)を仮定したMDREXの推計値です。再編後の金額は、基本配分と条件付き報酬の両方を受け取る場合です。受託機関が条件付き報酬を受けられない場合は、基本配分(45%)の約437ウォンまで低下します。

2-3. 医療機関の年間収入変動の例

(例1)内科診療所 — 委託検査中心。現行の委託検査関連収入が月750万ウォン(年9,000万ウォン)の診療所では、CBCの例と同じ割合(▽44%)が適用されると、月約420万ウォン(年約5,000万ウォン)となり、年間約4,000万ウォンの収入減が見込まれます。慢性疾患患者500人について臨床結果分析・管理料(1,400ウォン×年4回)を満額受け取っても年約280万ウォンにとどまるため、診察料引上げ分を加えても、検査依存度の高い診療所は純減を避けにくい状況です。

(例2)総合病院 — 院内検査中心。年間の検体検査収入が50億ウォン、CT・MRI収入が30億ウォンの総合病院で、検体検査の80%が調整対象となり、平均25%引き下げられると約10億ウォン減少します。CT・MRI撮影料について、読影料維持分を考慮した実効引下げ率が20%となれば約6億ウォン減少し、検査部門だけで年間約16億ウォン(検査収入の約20%)の減収となります。ただし、重症手術・入院料の引上げ分が相当部分を相殺し得るため、病院はまず検査部門の原価削減圧力を強める可能性があります。


※上記は、公表された平均引下げ率に仮定を適用した単純計算です。実際の影響は各機関の検査項目構成によって大きく異なります。

2-4. 医療機器企業への影響の経路

経路 内容 主に影響を受ける企業
① 価格(単価) 検査室は利益率を維持するため、試薬・消耗品の供給価格と機器レンタル料の引下げを要求します。日常的な検査ほど圧力が強くなります。 診断検査用試薬・機器(血液・生化学・免疫・尿など)
② 数量 委託機関の取り分が減り、診療所が検査を委託する誘因が弱まる可能性があります。一方、学会は、過去の引下げ時と同様に検査量が増加する「風船効果」を警告しています。 委託検査への依存度が高い試薬・機器
③ 販売チャネルの
集中
条件付き報酬と認証基準の強化により、大手受託機関に検査が集中し、入札・大量購入時の交渉力が高まります。 受託機関との取引比率が高い企業
④ 投資・
更新周期
CT・MRI撮影料の引下げにより、新規機器の導入や更新が遅れ、低価格・リファービッシュ機器への需要や保守契約の再交渉要求が増加します。一方、CT・MRI・マンモグラフィ装置の老朽度指標の新設と健康保険診療報酬に格差を設ける取り組みが進められることで、機器の更新・アップグレードの必要性が高まり、医療機関の投資負担が増す可能性があります。
※ 老朽度評価:5年未満は10点、15年以上は0点、保守・アップグレード時は2点加算。
CT・MRI装置、造影剤・注入器、保守サービス
⑤ 機会 条件付き報酬の指標(検体追跡・迅速報告・質管理・高難度検査)と読影料の維持は、これらを支援する製品の価値を高めます。 検査室自動化・情報システム、高難度の分子検査・特殊検査、病理・デジタル病理、読影支援ソフトウェア

2-5. 企業の予想売上変動(シミュレーション)

韓国内の診断検査用試薬の売上が100億ウォン、変動原価率が40%(売上総利益率60%)の企業を想定し、顧客検査室からの単価引下げ要求と数量変動による売上・売上総利益の変化を推計しました。

シナリオ 仮定 売上 売上総利益
現行 — 100億ウォン 60億ウォン
保守的 単価▽5%、数量+3%
(風船効果の一部)
97.9億ウォン(▽2%) 56.7億ウォン(▽6%)
基本 単価▽10%、数量変化なし 90.0億ウォン(▽10%) 50.0億ウォン(▽17%)
悪化 単価▽20%、数量▽5%
(委託減少)
76.0億ウォン(▽24%) 38.0億ウォン(▽37%)

原価削減を伴わない単価引下げは、そのまま利益の減少となるため、売上の減少率よりも売上総利益の減少率がはるかに大きくなります。検査室が利益率を維持しようとする場合、診断検査分野で求められる単価引下げ幅は検査料の引下げ率(約20~28%)に近づく可能性があり、その場合、売上総利益は半分近く減少し得ます。2028年の第2段階の調整が予定どおり進めば、圧力はさらに強まります。


3. これまでの学会・産業界・企業の対応

3-1. 学会と医療界

✔ 大韓診断検査医学会(2026年2月19日の声明):原価分析の標本にいわゆる「ビッグ5」病院が含まれないなど代表性が不足しており、2023年の委託検査資料には過度な割引競争が反映されていると指摘しました。また、過去(2017年、2024年)の診療報酬引下げ後に原価補償率が再び100%を超えたのは、過大補償ではなく損失を補うために検査量が増えた「風船効果」であるとして、一方的な引下げの中止を求めました。
✔ 大韓病院医師協議会(2026年6月18日の声明):平均値に基づく一律引下げの危険性を指摘し、原価分析方法の公開と、地域・小規模機関に対する補正係数および移行期の保護措置を求めました。
✔ 大韓診断検査医学会・大韓移植学会:専門医の判読が必要な検査、高額な試薬を使う検査、臓器・造血幹細胞移植に関連する検査について、引下げからの除外または別途調整を要請しました。
✔ 大韓診断検査医学会などの医療界(2026年10月28日、聯合ニュース):2023年の原価調査資料には施設種別加算率(上級総合病院30%、総合病院25%)が反映されているものの、2024年から当該加算が廃止されたため、原価補償率が約30%過大評価されていると指摘しました。
✔ 医療界および体外診断産業界の懸念(2026年10月28日、聯合ニュース):不正確な基礎統計に基づいて診療報酬を一律25%以上引き下げれば、韓国内の精密診断キット・試薬開発企業と体外診断産業基盤全体に連鎖的な損害が生じる可能性があると懸念を示しました。

3-2. 産業界(韓国医療機器産業協会IVD委員会)

協会のIVD委員会保険分科は、2026年9月の寄稿を通じ、政府の再編の趣旨には賛同するものの、検体検査全体を一つの「過大補償分野」とみなすアプローチには反対するという公式見解を示しました。主な提案は以下のとおりです。

提案 主な内容
精緻な原価分析 機器・試薬だけでなく、設置・保守、校正・精度管理、専門人材、検体輸送、検査情報システム、廃棄物処理まで実際の費用を反映し、算定基準を公開
格差を設けた報酬 結果解釈の複雑さ、誤りが生じた場合の患者リスク、迅速な結果の価値など、難易度・リスク・臨床的価値を反映した報酬
革新的技術の
別途経路
時限的・条件付き報酬 → 実臨床でのエビデンス蓄積 → 再評価へとつながる柔軟な制度
ステークホルダーの
参加・公正取引
医療界・検査機関・企業・患者の実質的な参加。ただし、協会が価格や割引上限を共同で決めることはしない

協会は、割引要求に受動的に応じて価格を繰り返し引き下げてきた業界慣行についても自ら振り返り、価格ではなく、正確性・臨床的有用性・供給の安定性・アフターサービスの総合的な価値で競争すべきだと強調しました。協会は11月3日にIVD委員会の定期ワークショップを開催し、診療報酬再編への対応状況と今後の課題を議論する予定です。


4. 国政監査と健政審の結果、および今後の手続き

4-1. 国政監査で提起された論点

国会保健福祉委員会の国政監査は10月7日に始まり、10月8日の保健福祉部監査、10月27日の総合監査へと続きました。検体検査の診療報酬再編については、以下の論点が提起されました。

✔ 原価分析の根拠開示要求:イ・マンヒ議員(国民の力)は、診療報酬引下げの核心的な根拠である「原価比190%」の算出方法と詳細な分析資料の提出を求めましたが、保健福祉部は提出しませんでした。それ以前の診断検査医学会による同様の要請に対しても、保健福祉部は最終検証が必要との理由で算出方法を公開しませんでした。
✔ 原価項目の反映の適切性:手作業検査と自動化検査の違い、検査量、専門人材・精度管理費用、機器の減価償却・保守、低頻度検査用試薬の廃棄、夜間・休日の待機費用が反映されているかという質問に対し、保健福祉部は会計資料の費用項目をすべて反映したと回答する一方、同じ診療報酬コードを使用する手作業検査と自動化検査の区別は難しいことを認めました。
✔ 必須検査インフラの保護:保健福祉部は書面回答で、診療報酬再編が患者安全と必須検査インフラを弱体化させてはならないという認識を示し、HLA抗体検査・骨髄判読・微生物培養など、専門人材・高額試薬・低頻度検査に関する特例や、移植・感染症検査の高難度・低頻度加算を検討すると述べました。また、2027年に健康保険審査評価院を通じて政策影響研究を進めるとしました。

4-2. 第19回健政審(10月28日)の結果

国政監査の指摘は、10月28日の健政審の議決案に一部反映されました。

国政監査・学会の
指摘事項
健政審での反映結果 効果(年間)
専門的な判読・
高額試薬を用いる
検査の保護
診断検査医学専門医の検証料、骨髄異常血液検査、組織適合性免疫検査(HLA)を引下げから除外 引下げ額を368億ウォン縮小
感染症検査間の公平性 同じ原理に基づく感染症検査に同じ診療報酬を適用 引下げ額を81億ウォン縮小
放射線科専門医の
読影の価値
放射線科専門医の読影料・救急加算を現行水準で維持 引下げ額を566億ウォン縮小
筋骨格系MRI 読影料の分離 30億ウォン
施行後の影響に
対する懸念
四半期ごとのモニタリング体制を構築し、追加の改善策を継続的に検討 —

一方、原価分析の算出方法の公開、機関の種類・地域別の補正係数、移行期の保護措置などの根本的な要求は、今回の議決には反映されませんでした。施行時期は、当初の「2026年下半期(12月)」から2027年1月に確定しました。

4-3. 今後予想される手続き

時期 手続き 企業の観点から確認すべき事項
2026年11月 告示改正案の行政予告(意見募集) — 「健康保険の診療行為の給付・非給付一覧表および給付相対価値点数」「療養給付の適用基準および方法に関する細部事項」、検体検査委託関連基準など 診療行為コード別の相対価値点数の変化を確認し、意見を提出(行政予告期間は原則20日以上だが、短縮される場合あり)
2026年11~12月 意見検討後に確定告示を発出、請求・審査システムを改修、医療機関に案内 顧客に請求上の変更点を案内し、2027年の契約単価交渉に備える
2027年1月1日 施行 — 検体・CT・MRI診療報酬の調整、委託検査管理料の廃止、区分支払、条件付き報酬(2年間) 顧客の検査量・検査オーダーパターンの変化を追跡
2027年3月 医療提供体制が脆弱な地域への加算を適用(地域優遇診療報酬と同時) 対象地域の顧客向け営業戦略を点検
2027年
(四半期ごと)
施行影響のモニタリング、審査評価院の影響研究、委託・受託機関別の原価再分析 実際の原価・臨床的価値のデータを蓄積し、根拠資料の提出を準備
2028年下半期 第2段階の調整(6月のロードマップでは原価比110%が目標、費用分析後に再設定) 第1段階より大幅な追加引下げの可能性に備える
2028年12月 条件付き報酬の2年間が終了 → 実績評価後に再設計 条件付き報酬の指標と製品価値を結び付ける実績を確保

※2026年11月の告示改正と2027年1月の施行は、政府が発表した日程です。それ以外の日程は、6月のロードマップと通常の告示改正手続きに基づくMDREXの予想です。


5. 企業の対応方針 — 何を準備すべきか

今回の調整は一度限りの引下げではなく、診療報酬を2年周期で継続的に点検・調整する体系の始まりです。今後は、「どれだけ引き下げられるか」よりも、「どのような根拠を、いつ、どの手続きで提示するか」が結果を左右する可能性があります。企業が今から準備できる事項は、以下のとおりです。

① 診療行為コード単位で影響範囲を正確に把握

自社製品を使用する検査が702の調整項目に含まれるか、調整対象から除外された細分類に属するか、相対価値点数がどの程度下がるかを、診療行為コードと製品を1対1で対応付けて確認する必要があります。一つの製品が複数の診療行為コードに関係する場合や、診断検査と病理検査のどちらに分類されるかによって影響が正反対になる場合もあります。この作業には時間がかかるため、行政予告の前に準備しておくことが望まれます。

② 行政予告期間中の意見提出を準備

行政予告の期間は短く、具体的な項目と客観的根拠を伴う意見ほど反映される可能性が高くなります。今回の健政審でHLA検査などが調整対象から除外されたように、原価構造と臨床上の必要性をデータで示す意見は、実際の結果を変え得ます。学会・協会の意見と方向性を合わせつつ、品目の特性に応じた根拠を別途準備しておくことが効果的です。

③ 第2段階(2028年)に備えた原価根拠の蓄積

2027年の原価再分析は、2028年の第2段階の調整の基準となります。機器の減価償却、保守、精度管理、専門人材、低頻度検査用試薬の廃棄など、原価分析から漏れやすい費用を顧客検査室とともにデータとして整理しておくことで、次の段階で根拠として活用できます。

④ 条件付き報酬と製品価値の結び付け

条件付き報酬では、検体の追跡・管理、迅速な結果報告、質管理、高難度検査の実施が評価されます。顧客がこの報酬を受けるうえで自社製品がどのように貢献するかを示せれば、単価引下げ要求に対抗する最も説得力のある根拠となります。画像分野では読影料が維持されるため、読影の効率と質を高めるソリューションの価値が高まります。

⑤ 価格・契約構造の再点検と法的リスクの管理

単価引下げ要求に対応して契約条件を変更する過程では、公正取引関連規定、経済的利益の提供(リベート)規制、既存契約との抵触などの法的論点も生じ得ます。競合他社と価格情報を共有したり、対応水準を共同で決めたりすることは避け、数量・成果連動型契約などの新たな構造を導入する際には、法的検討を並行して行うことが安全です。必要に応じて、告示内容への異議申立てや行政争訟の可能性も検討できます。

⑥ 革新的技術については別途の報酬経路を検討

既存の診療行為との単純比較では不利となる新技術は、新医療技術評価や革新医療技術などの別途の評価・報酬経路を通じて、既存の診療報酬体系とは別に価値を認めてもらう方策も検討できます。

こうした準備には、相対価値に基づく診療報酬体系、健政審・審査評価院の意思決定手続き、および関連法令を併せて理解する必要があり、個々の企業が短期間ですべてに対応することは容易ではありません。MDREXは、健康保険審査評価院における保険収載の実務経験を有する専門家とともに、今回の再編を当初から分析してきました。また、法律事務所DR & AJUとの協力を通じて、規制と法律の両面を検討しています。今後も、告示改正と第2段階の議論の過程で、医療機器企業にとって検討に値する視点と情報を継続して共有してまいります。

資料:保健福祉部報道資料(2026年6月25日、10月28日)、健康保険政策審議委員会会議資料(2025年12月)、医学新聞(2026年10月19日、10月28日)、デイリーメディ(2026年2月19日、3月23日)、財経日報(2026年10月10日)、ニュースピム(2026年6月19日)、ラポルシアン(2026年10月27日、10月28日)、保健新聞(2026年9月9日)など。医療機関・企業への影響に関する数値は、公開資料に仮定を適用したMDREXの推計であり、最終的な数値は告示の改正内容によって異なる場合があります。
検体・画像検査の診療報酬再編が貴社製品や顧客にどのような影響を及ぼすか、行政予告に対してどのような意見を提出できるかについてご関心がございましたら, MDREX(pro@mdrex.co.kr) までお気軽にお問い合わせください。MDREXは、医療機器が承認後も適切に価値を認められ、医療現場で継続して使用されるよう支援してまいります。
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